大阪市に住む11歳の全盲ドラマー酒井響希くんは、1歳半で眼球に両眼性網膜芽細胞腫という小児がんが発覚、2歳で全盲になりました。
自宅の壁や床などを叩いて音を楽しむことしかできなかった響希くんは、4歳でドラムを始めます。
そんな響希くんが唯一楽しめたゲームが任天堂「リズム天国」だったそうです。
響希くんが任天堂に宛てた手紙と、その返事が話題になり、「リズム天国」のプロデュースに関わったミュージシャンのつんく♂も感激したといいます。
全盲のドラマー酒井響希がパーフェクトの任天堂「リズム天国」
酒井響希くんとは?
大阪市に住む11歳の全盲ドラマー酒井響希くんは、1歳半で眼球に両眼性網膜芽細胞腫という小児がんが発覚、2歳で全盲になりました。
自宅の壁や床などを叩いて音を楽しむことしかできなかった響希くんは、4歳でドラムを始めます。
ゲームがやりたくても視覚障害があるため、他の友達のようにゲームを楽しむことはできなかったのですが、唯一楽しめたのが任天堂「リズム天国」だったそうです。
父親の「けんたろー」さんは、これまで響希くんがドラムに打ち込む姿をツイッターで公開してきましたが、2017年5月、響希くんが愛してやまない音楽ゲーム「リズム天国」への思いなどをつづった手紙をメーカーの任天堂に送りました。
すると、同社から返事があったことを明かし、「たった1人の為に誠実な対応でまさに神対応です」と喜んでいました。
響希くんが任天堂に送った手紙とは?
任天堂さんへ
はじめまして。僕は小学5年の酒井響希です。
僕は目が見えないけど僕も皆と同じようにゲームがしたいとずっと思っていました。
でも僕ができるゲームはほとんどありませんでした。
その中で、僕が唯一できたゲームがリズム天国です。
そのゲームだけは皆と一緒に楽しくできるし、このゲームは誰にも負けませんでした。
ゲームボーイアドバンス版もDS版もwii版も3DS版もすべてパーフェクトをとる事ができました。
なのでこれからもリズム天国を絶対に絶対に出して欲しいです。もう少し難しくても大丈夫です!!
僕以外にもゲームがしたくてもできない視覚障害の子がきっといると思います。
だから体にハンデがあっても皆と一緒に楽しめるゲームを是非開発して欲しいです。これからも任天堂さんを応援します。
酒井響希より。
この手紙に対して、任天堂はすぐさま返事を出します。
酒井響希様
この度は、任天堂あてに温かいお手紙を送っていただき、ありがとうございます。
「リズム天国」「リズム天国ゴールド」「みんなのリズム天国」「リズム天国 ザ・ベスト+」の全てでパーフェクトを取ることができたと、響希君がこのシリーズを楽しんでくれたことが伝わり、とても嬉しく思います。
響希君から頂いたお手紙の内容は任天堂の開発部門へ報告いたします。
これからも、みなさまに喜んでいただけるゲームを作っていきたいと思いますので、応えんよろしくおねがいいたします。
この任天堂の神対応に、賞賛の声が上がっています。
任天堂リズム天国とは?
ゲームをやらない方もいますので(私もそうですが)リズム天国がどんなものなのか、CM動画で確認しましょう。
CM動画を観る限り、視覚的な要素が多分にあるように思います。これを視覚障害のある響希くんがパーフェクトできるということは、本当にリズム感だけでゲームをしているということですね。
響希くんのリズム感の素晴らしさが良く分かります。
感謝の手紙につんく♂も感激!
実はこの「リズム天国」、音楽プロデューサーのつんく♂が同ゲームシリーズの楽曲やプロデュースを手がけています。
開発段階からゲームの総合プロデュースをしており、曲の大半の作曲を担当しました。あとは“リズムゲームの楽しさ”という線から外れないように旗を振ってきた、という感じだそうです。
「日本人のリズム感を変えるんだ!」という、つんく♂さんの使命感から始まったプロジェクト。
そのつんく♂さんの肝いりのリズムゲームが、今回このような形で障害を持つ男の子から感謝の手紙をもらうことになるとは、つんく♂さん自身、想像もしていなかったことだと思います。
「泣きそうになった。てか、泣いた。ありがとう。そしてこれからもよろしくです」と感激をあらわにしていました。
ご自身がプロデュースしたゲームがこのような形で視覚障害者の助けになっていたなんて、本当に嬉しいですよね!
最後に
様々なゲームを開発・販売している任天堂ですが、「リズム天国」は本来、障害者向けに作られたものではなかったはずです。
それが、全盲のドラマー酒井響希くんによって、視覚障害者が楽しめるゲームとして、認識されることとなりました。
これを機に、ゲーム業界も様々な障害を持つ人達が楽しめるゲームを開発する方向へとますます進んで行くのではないでしょうか。
つんく♂さんご自身も喉頭癌を患い、歌手の生命とも言える声帯を摘出されるという大手術を経験されながらも、現在も音楽プロデュース活動を続けていらっしゃいます。
人間の力って、本当にすごいな!と思います。
小さなことでくよくよしないで前向きに生きようと思ったお話でした。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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