元カシオペアのメンバーとして、1980年代のフュージョンブームを牽引したキーボード奏者、向谷実さん。
普段私達が何気なく聴いている列車の発車メロディーの作曲者でもあります。
日本独特の発車メロディーは、海外からの旅行者の心をも掴み、感動の声が聞かれます。
向谷実さんが発車メロディーを制作したきっかけは?
音楽家であり、鉄道マニアでもある向谷実さんについて調べてみました。
向谷実・元カシオペアのキーボード奏者!
向谷実(むかいや みのる)さんのプロフィール
生誕: 1956年10月20日(61歳)
出身地:東京都
学歴 :東京都立大学附属高校卒業、ネム音楽院(現ヤマハ音楽院)
職業 音楽家、事業家
担当楽器: キーボード、ピアノ、シンセサイザー
活動期間 1977年 –
事務所: ㈱音楽館(代表取締役社長)
(出典:Wikipedia)
4歳半からオルガンを、5歳からピアノを習い始め、6歳で既に作曲を行っていた、まさに天才的な音楽の才能に恵まれた向谷さん。
中学生時代からエレクトーンにを弾き初め、地区のコンクールで優勝するほだったとのこと。高校卒業後は、ネム音楽院のエレクトーン科に進みます。
カシオペア時代
ネム音楽院在籍中の20歳の頃に、当時アマチュアバンドだったカシオペアに加入します。
1979年5月25日、日本におけるフュージョンブームの真っ直中、カシオペアはアルバム『CASIOPEA』でメジャーデビューを果たしました。
そのデビューアルバムに付けられたキャッチコピー「スリル、スピード、スーパー・テクニック」の表現通り、超絶技巧かつアクロバティックな演奏スタイルで、向谷さんは同時に2台のキーボードを弾き分けるなど、優れたテクニックを披露しました。
リーダーの野呂一生さん以上にMCが軽妙であったため、司会も務めるようになり、向谷(むかいや)の名字をもじり、司会屋実(しかいやみのる)の異名が与えられたほどでした。
アルバムのリリースごとに売上を伸ばしていったカシオペアですが、1980年代前半、向谷さんは、趣味の一環としてパソコンを購入し、熱中するようになったそうです。
国産からすぐにMacintoshに辿り着き、パソコン通信で海外音楽関係者と情報のやりとりをしたり、デジタル機材のデータ管理など音楽活動にも用いていくようになりました。
1980年代前半と言えば、パソコンはまだ一般に普及していない頃ですから、個人での購入は非常に珍しいことで、今思えば時代の最先端を突っ走っていたことになりますね。
1993年、向谷さんは自身が経営する音楽館で、カシオペアが題材となった、映像と音楽を融合させたCD-ROMソフト『Touch the Music by Casiopea』を制作して発売しました。
全く新しい音楽と映像の世界を作り上げた向谷実さん。今でこそパソコンで音楽が作れる時代ですが、言ってみれば現代音楽の先駆者的存在だったわけですね。
発車メロディー制作のきっかけは、音楽家であり鉄道マニア!
幼い頃から鉄道マニアだった向谷実さんは、音楽家でありながらも常に趣味の鉄道を切り離して考えることはなかったようです。
2004年、JR九州の九州新幹線が開通した際に、業務音楽(発車メロディーや車内音楽)制作を手がけました。
向谷さんによると、九州新幹線開通の前に試乗する機会があって、その時には発車メロディーや車内音楽が決まっていなかったため、早速その翌日にサンプル音源を作って送ったそうです。
こうして採用された九州新幹線をはじめ、その後も数多くの発車メロディーを作曲しています。
発車メロディー秘話について、取り上げられたニュース動画がありますのでご覧ください。
向谷実さんは、発車メロディーについて、コンピューターなどで自動化された音楽ではなく、人間が手で弾くことにこだわっているとのこと。
また、始発駅から次の駅へとメロディーが繋がり、終点で曲が完結するなど、本当にマニアックですね。気づいた人は居るのでしょうか?
地域の特徴や歴史なども考慮したメロディーには、鉄道に対する思い入れとプロとしての音楽への強いこだわりを感じますね。
まとめ
元カシオペアのメンバーとして、1980年代のフュージョンブームを牽引したキーボード奏者、向谷実さん。
普段私達が何気なく聴いている列車の発車メロディーの作曲者でもあります。
向谷実さんが発車メロディーを制作したきっかけは、九州新幹線開通前に試乗した時、まだメロディーが決まっていなかったこと。
手弾きにこだわる向谷実さんは、プロのミュージシャンとしてこれからも鉄道をサポートしたいと考えているそうです。
最寄り駅の発車メロディーを聴くと「帰ってきた」感があって、なんだかホッとしますよね~
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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